以前(2008/2/21)にこのブログで取り上げました楢(ナラ)材ですが、
製材の後の処理と保存方法をちょっとご紹介しましょう(^^)
製材を行った場合、どの様な材木でも、必ず乾燥を行います。
乾燥方法には、天然(自然)乾燥と人工(機械)乾燥が有ります。
当社では、木の肌目を良質に仕上る為と、割れなどの問題を起こさない為に、
長い時間をかけ天日・影干しによる天然乾燥を基本としております。
楢の木自体が固いのと、比重が重いのでなかなか乾燥がし難い材の一種です。
その為、ある程度長時間、外気に触れる場所にて乾燥を行います。
内部に対して表面の乾燥がどうしても早くなるため、
(かつおのたたきの切り身をイメージして下さい)
木材の表面に収縮による割れが生じてしまう事があります。
特に外気や天日に長時間さらされると、割れやすくなる為、
急激な乾燥を抑えるために、木材の表面(重要部分のみ)に
『割れ防止剤』の液を一枚一枚、両面塗っていきます。
割れ止めが乾燥しますと、工場敷地内の外の干し場に運び、
細い材などは、立て掛けるのですが、今回のような幅広板材は横積みしていきます。
一枚一枚積み上げていきますが、積み上げ方にも大事な事が3点!
1)木裏面(幹の中心に近いほうの面)を必ず上にする!
…板の繊維直行方向の反りを抑止するため
2)一枚ごとに同じ縦位置で桟を挟み積んでいく!
…風通しを良くする為
桟の位置を変えると、上部の材の長期荷重で繊維方向が反ってしまうため
3)板を水平にしないようにし、末口を必ず地面に近い下流側とする!
…材木が水分を下から吸おうとする潜在能力を抑え、乾燥を速めるため
この上記の様に干す為、写真のように横から見ると、扇型になるんですね。
また、この時期に外干しをするメリットは
1)外気がまだ冷たく、天日も強くない為、急激な表面乾燥を抑える事ができる
2)風・雨・雪にさらす事で、木の灰汁(アク)を抜くことができる
この、外部での乾燥を数ヶ月~半年ほど行い、
その後は、倉庫内で2~5年以上じっくりと乾燥していきます。
ですから、時間がかかるので、ある程度の在庫を抱えているのです。
倉庫内の材木たちが、いつお嫁に(買われて)いくのか、楽しみに待っている様です(笑